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2022/5/25
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国税徴収法と自力執行権 |
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今何かと話題になっている国税徴収法と自力執行権に触れたいと思います。 自分も現職国税徴収職員当時よく勉強し執行した法律のひとつです。まず前提として日本は法治国家であり、租税債権の回収以外自力執行が禁止されています。平たく言えば、一般債権は自らが直接強制力を持って取立てすることができず、必ず裁判所の判決を通じてしかできないということです。ところが、租税債権の確保の重要性及び緊急性を考慮し、国税や地方税の租税債権は役所が直接差押え等により、租税債権の確保を図ることを認めています(徴収法第8条)。なお、国民年金の保険料などの公課は自力執行権はありますが、租税よりも優先順位が下がります(徴収法第8条)。そして、地方税の徴収は、国税徴収法に準じています。 次に債権差押えする場合は、債権の性質上全額差押えが原則です。例えば、滞納金額が1万円でも滞納者が預金等の債権を100万円有する場合、100万円を全額差押え取立てし、1万円の滞納税金に充当後残額還付することを原則とします(徴収法第63条)。 なお、国税徴収においては、所謂実質課税(名義に関係なく実質的帰属者に課税)のようなことは認められておらず、納税者保護の観点から課税の段階よりも厳しい制限があります。 国民健康保険料と国民健康保険税の違い:国民健康保険料は公課であり、国民健康保険税は租税です。滞納処分において租税の方が公課よりも優先されるため、市町村においては、国民健康保険税を採用しているところの方が圧倒的に多いです。 |
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