全日本カートOKクラスが開幕した機会にOKクラスのレーシングカートに若干触れたいと思います。
まず、フレームですが、主なところを述べます。

birelART(ビレルアート)・・・元々はbirelでしたが、フェラーリF1の監督やFIA(国際自動車連盟)会長などを務めたジャン・トッドの息子のニコラス・トッドが設立したART(主にF3活動)と合併し、birelARTとなる。カートフレームはビレルから始まったと言われるイタリアの老舗カートフレームメーカー。

トニーカート・・・コスミックなど色違いの数種類の兄弟ブランドを持つイタリアのOTK社が展開する緑色のフレーム。同フレームを使用しないのは自分くらいの現在の日本のスーパーカート界の主流フレーム。エンジン部門として
Vortex(ボルテックス)があります。

CRG・・・父親が創業したカリカートを3人の息子が継承発展させたイタリアのメーカー。エンジン部門として
Maxter(マクスター)を持ちます。ホイールPCD(ピッチ・サークル・ダイアメーター・・・ホイール中心から穴の距離)が他社とは違いますので、ハブ交換しないと同一ホイールは使えません。
なお、birelARTとCRGはともにOEM(相手先ブランド)展開するメーカーでもあります。
次に、エンジンに触れたいと思います。

TM・・・二人の兄弟で設立したオフロード系バイクとカートエンジンのイタリアのメーカー。バイクはオフロードバイク界の宝石と言われるほど高額な希少バイク。カートエンジンはOK部門の主流エンジンであるが、ヨーロッパスーパーカート125ccクラスの主流エンジンでもある。ただし、スーパーカート用エンジンは国内輸入代理店なし。

IAME(イアメ:イタリアン・アメリカン・モーター・エンジニアリングの略称)・・・カートエンジンはIAMEから始まったと言われるイタリアのカートエンジン老舗メーカー。輸入代理店の関係で国内ではbirelART使用者が使うことが多い。ただし、ヨーロッパではbirelARTはTMとの結び付きが強い。全日本カートFS125クラスで使用されるX30のメーカーでもあります。
Vortex(ボルテックス)・・・トニーカート系のエンジン部門のため、OTK社の兄弟ブランドも含めて同フレーム使用者が使用することが多い。最初に水冷カートエンジンを開発したメーカー。以上すべてイタリアのメーカーです。
ヨーロッパスーパーカートのフレーム及びエンジンにも触れたいと思います。現在、これらは日本に輸入されていません。輸入代理店がないため、個人輸入しても部品の購入が困難により、継続使用は無理と思います。さらに個人輸入した経験から言うと、大きな重量物は、国際送料が驚くほど高額です。
andersonkart(アンダーソンカート)・・・ヨーロッパの主流UKスーパーカートフレームメーカー。フロントナックル部分がフォーミュラカーと同一構造であり、またリアウイングも備えるリトルフォーミュラである。タイヤもUKダンロップの6インチ使用である。アメリカはフージャー6インチタイヤ使用が多い。UKダンロップ6インチタイヤは一般的には購入無理(ただし、在英日本人経由の購入できる窓口はある)だが、フージャー6インチタイヤは輸入代理店があるため、一般購入可。
MSkart・・・チェコ共和国在社のスーパーカートメーカー。両社が2大ヨーロッパスーパーカートメーカーである。
BRC/VM・・・2スト250ccのスーパーカート用縦置ツインエンジンメーカー。90馬力超、最高速250キロを誇るモンスターエンジンである。両社ともに輸入代理店ないため、購入不可。
最後に国内のスーパーカートエンジン事情です。
現在、スーパーカート用のエンジンはホンダレーサーNSF250R以外単体で販売されていません。NSF250Rも電気等補機類はついていませんので別途購入が必要です。そのため、主流エンジンのヤマハを使用する場合ヤマハのモトクロッサーを1台購入(販売時期があるため、いつでも購入できるわけではない)し、エンジンのみ下ろし車体は他者に販売するなど手間がかかります。また、エンジンをカートフレームに載せるには相当の加工を要するため、回りに機械加工屋さんがいないと現状カートショップでは手に負えない面があります。また、NSF250Rやヤマハのモトクロッサーもメーカー指定のレーシング系バイクショップにしかメーカーは卸さないため、同バイク店と連携していないカートショップはさらに難しい面があります。以上コンプリートで購入できない点が、スーパーカートが普及しない理由の一つでもあります。
豆知識:NSF250Rはホンダの市販レーサーですが、NSF250RWはKTMワークスレーサーに対抗開発された開発費推定億超えのMoto3使用のホンダワークスレーサーです。KTMも過去2012/2013の2年間のみMoto3市販レーサーRC250Rを国内販売しました。2013年の販売価格は650万円です。KTMワークスレーサーに近いモデルのため、650万円でも破格の廉価と言われました。現在、全日本ロードGP3クラスで使用されているKTMはこのモデルと推測します。なお、KTMはオーストリアのバイクメーカーです。