2021/1/24

国税猶予制度

時下新型コロナウイルスの影響が大きいため、国税の猶予制度についての概略を述べたいと思います。なお、詳しいことは国税庁ホームページをご確認ください。
 
特例納税の猶予:
従前の納税の猶予は、自己の疾病による売上減少の場合しか想定しておりませんでしたので、感染症影響による売上減少には対応できませんでした。そのため、特例として成立したものです。
要件は、新型コロナウイルスの影響により売上が対前年同月比20%以上減少したため、納期限内の納付が困難であるということです。税務署へ申請し、許可を受けることで成立します。納期限を経過してしまうと原則は申請できません。原則ということはやむを得ない事情が大きいと判断されれば申請が通る場合もあります。ただし、職員にとっても、判断は難しいことですので、納期限内に申請してください。なお、申請できる期限は本年2月1日までとされておりますが、現下の影響を考えると1年延長の検討がされているようですが、まだ未定です。納期限から1年間(ただし、予定納税、中間分は確定申告期限まで)納付を延ばせます。延滞税は後日猶予許可期間全額免除になります。担保は不要です。 
 
一般の納税の猶予:
以前からあった猶予制度です。特に東日本大震災の時申請が多かった制度です。これも納税者の申請が必要です。要件は、いろいろありますが、大きく2つ述べます。一つは天災等の自然災害による納付困難の場合1年間納付を延ばすことを申請できます。もう一つは廃業等の著しい業績悪化(対前年比50%超)の場合です。自己の条件が変わらない場合さらに1年間延長申請できますので通算2年間納付を延ばすことができます。災害の場合、担保は必要ありません。業績悪化の場合、延滞税を含め申請額100万円以内は担保不要です。災害の場合は猶予許可期間内の延滞税が後日全額免除になります。業績悪化の場合は半分免除になります。基本的に申請要件は下記申請による換価の猶予よりも厳しいと考えてください。 
 
申請による換価の猶予:
これも申請が必要です。納期限から6か月以内の申請が必要です。これは前記の特例猶予とは違い6か月経過後の申請はできません。納税者が納付できない諸事情があれば1年間納付期間を延ばせます。1年間の延長申請も可能です。延滞税を含め申請額100万円以内は担保不要です。延滞税は猶予許可期間半分免除されます。この制度は法律条項に基づく制度ですので、法律要件が変わっていけば、制度上最長6年間猶予申請可能となります。ただし、そのような場合通常事業継続は困難化していると考えられますので、同じ条件下の最長2年間内完納に努めてください。 
 
職権による換価の猶予:
以前は換価の猶予制度はこれしかありませんでした。これは前記申請による換価の猶予申請期限は経過したが、納税者が納付できないやむを得ない事情があると、徴収職員が判断した場合、職権にて換価の猶予許可を起こすものです。申請期限経過後職権で起こす以上、許可判断が難しいことがあります。猶予期間や延滞税免除などは申請による換価の猶予と同じですが、申請による換価の猶予制度成立した以降、現実問題職権で許可することは稀です。 
 
担保:原則担保必要の場合でも担保提供できるものがない場合は、担保なしでも申請可能です。 
 
延滞税:
原則は、納期限経過後2か月以内は年利7.3%それ過ぎは14.6%の延滞税が本税1万円に対して付加されます。ただし、現在は特例により11月30日の公定歩合(以前の名称、現在は公定歩合ではなく、すごく長い名称のため、記載省略し、本件では公定歩合と記載)により変動化しており、その率が翌年1月1日~12月31日1年間の利率となります。現在は低い率で推移していますが、猶予許可が通ればさらに低い率になります。国税庁ホームページによれば、令和3年は延滞税率7.3%⇒2.5%、14.6%⇒8.8%に変動しております。それらが、前記猶予制度により、さらに対象期間全額又は半額免除になります。
 
*延滞税は利息(約定によるもの)ではなく、遅延損害金的ものと考えられております。