2024/1/3

滞納処分の停止と納税義務の消滅・・・納税緩和措置後半

納税緩和措置後半
 
前半に続き後半を述べたいと思います。こちらの措置は徴収職員の伝家の宝刀とも言える措置です。世間一般的には現代の徳政令とも言える措置です。これらは、納税者が申請することはできず徴収職員の判断に基づき職権にて行います。国税庁においては、以前はあまり積極的に行う措置ではありませんでしたが、現在においては、法律がある以上該当する場合は積極的に行う措置となっています。金額基準により署統括官(課長職)までの決裁、署長決裁、重要事案審議会(署長他、数人が協議に参加)開催後の署長決裁、国税局長に判断上申後の署長決裁と分かれます。
 
 滞納処分の停止
通常は個人の納税者について行います。滞納処分を執行できる財産が全くない納税者や生活保護を受給するなどの生活困窮者について以後の滞納処分、平たく言えば差押え執行を停止する措置です。当然差押えしている場合は、差押解除になります。
 
 納税義務の消滅
上記滞納処分の停止後3年間納税者の財産状況、生活状況を監査し滞納処分の停止時と状況が同じ場合に滞納処分の停止から3年経過後に納税義務を消滅させる措置です。ただし、途中時効が完成した場合は3年経過をまたずに消滅します。3年以内に納付資力が回復した場合は、滞納処分の停止を取消し納税義務が復活します。復活しても停止期間中の延滞税はかかりません。
 
 滞納処分の停止兼納税義務の消滅
通常は法人の納税者について行います。法人が倒産し明らかに滞納処分を執行できる財産がない場合に滞納処分の停止と納税義務の消滅を同時に行う措置です。この場合は、3年経過を待たずに納税義務は即時消滅します。
個人の場合は、納税者死亡後相続人が全員相続放棄し、プラスの相続財産が全くないか相続財産管理人を立てる(裁判所に選任を依頼するため数十万円程度費用が必要)ほどにはプラスの相続財産がない場合について行います。
 
以上の措置は以前(相当以前)は納税者の納税意識を低下させることを理由に納税者に通知しませんでしたが、現在は、法律に基づく措置ということであり必ず納税者に文書で通知します。