法定相続情報一覧図が完成し、法務局から受け取り後直ちに相続人に交付しました。今後は、遺産分割協議書が完成すれば戸籍謄本等を持参せずに被相続人の預貯金名義の変更が可能になります。遺産分割協議書作成は司法書士に依頼しているとのことです。今回の法定相続情報一覧図は代襲相続(子既に死亡のため孫相続)があるため、一覧図は2枚になります。代襲相続の場合の記載例は法務局のホームページに掲載されています。さて、ここで相続税の不動産の評価についての基本を述べたいと思います。
まず、土地は大きく倍率地域と路線価地域に分かれます。この違いは何かというと、倍率地域は都市化していない在の地域です。路線価地域は、都市部の地域になります。評価する土地がどちらに当たるかは国税庁のホームページで確認することができます。路線価地域の評価は単純ではなく、場合によっては不動産鑑定士の専門家に依頼する必要性も出てきます。路線価地域の評価は、一冊の専門書があるほど簡単な説明は難しいですので、ここでは省略し倍率地域の評価方法について説明します。
最初に国税庁のホームページから必要な年の倍率を調べます。相続の場合は死亡年になります。
次に市町村役場に行き死亡年の名寄帳の写しを取得します。名寄帳には、相続人の所有する不動産のすべてが記載されています。その際持分も含めて請求することが必要です。また、念のため不動産評価証明書も取得し、名寄帳と突き合わせ両方に違いがないことを確認した方がよりいいです。土地の形や位置を確認するため、地積集成図や地番集成図と呼ばれる(名称は役場により違います)地図を取得します。この地図は、通常は税務課管理、役場によっては建設課等管理です。これは法務局管理の公図とは違い、固定資産税課税のためのものですので、両者に違いがある場合があります。場合によっては、公図の取得も必要です。以上の書類の取得には、相続人でない場合は相続人からの委任状が必要です。
名寄帳には、不動産の評価額が記載されています。この評価額に国税庁ホームページ掲載の倍率をかけて相続税土地評価額が決まります。建物の場合の倍率は1.0ですので名寄帳記載額と同額になります。
相続土地が被相続人と生計を一にする同居親族が相続する小規模宅地等に該当する場合は、330㎡に限り最大80%減できる小規模宅地等の特例があります。都市部においては土地の評価額が高いため、大きな特例です。
貸地がある場合で、同地に相手所有の建物が建っている場合は、単純ではありません。地積集成図から現地を特定し、建物が実際建っている現況を確認する必要があります。次に相続人から契約書等があるかを聴取する必要があります。契約書があれば内容確認できますのでいいですが、現実はない場合が多いです。ない場合はまず権利金の有無を確認します。権利金があれば、単純に借地権が発生します。借地権割合も国税庁ホームページに掲載されています。名寄帳評価額に倍率をかけそこから借地権割合を減したものが、土地評価額になります。
借地権が発生する場合の地代を「通常の地代」といいます。「通常の地代」は、名寄帳価額×倍率×(1-借地権割合)×6%で求めます。
権利金がない場合には、権利金も含めたところで「通常の地代」よりも高い地代を支払う必要があります。この地代を「相当の地代」と呼びます。「相当の地代」は、名寄帳価額×倍率×6%で計算します。
現実にもらっている地代を「実際の地代」といいます。以上相続税の計算には、3つの地代が登場します。「実際の地代」>「相当の地代」の場合、固定資産税額>=「実際の地代」の場合の相手方借地権評価額は0円です。「通常の地代」>=「実際の地代」>固定資産税額の場合は、相手方は国税庁借地権割合と同じです。「実際の地代」が「相当の地代」を超える場合は、贈与の問題が発生します。「相当の地代」(「実際の地代」同額)を収受し、権利金の収受のない場合の貸地の評価は、当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額となります。要は権利金の収受はなくとも建物が建っていることにより、地主には制約が発生するため、借地権割合20%減認容となります。このことは、国税庁のホームページに掲載されています。以上のように貸地の評価はかなり難しいです。